近年、ゲームの長時間使用や屋外活動の減少によりお子様の近視化、近視の進行が
早くなっているというのは世界的な傾向ですが、特に台湾を始め中国、香港、
シンガポールなどの国々では、20歳までに80%の人が近視になるというデータもあり、
各国で対策が取られています。
台湾でも屋外活動の奨励や、学校や眼科の指導の下に様々な取り組みが行われており、
世界一の近視率という課題の解消に取り掛かっております。
以下、現在台湾で行われている代表的な近視抑制の治療方法です。
① 低濃度アトロピン点眼
シンガポール国立眼科センターにより研究開発された児童の近視の進行を軽減させる
ことを目的とした点眼薬です。近視は小学校低学年から高校くらいまで進行するので、
根気強く、何年かは続けることになります。
私の子供も治療しています。近視は回復しませんが、進行は抑えられています。
3カ月に一度の検診を受けていますが、副作用もほぼありませんし、寝る前に1滴点眼する
だけなので子供の負担も少なく済みます。
台湾では近視になりかけた児童の多くが行っている治療方法で、データでは40%ほど
近視の進行を抑えられているそうです。
② オルソケラトロジー
オルソケラトロジーは,特別にデザインされたハードコンタクトレンズを夜間装用することより、
角膜自体の形状を変化させ,近視や乱視の矯正を図る治療です。
朝起きてコンタクトレンズを外すと裸眼視力も向上しているため、日中は裸眼で生活できるようになります。
近視抑制の治療としたは、比較的歴史が長く、治療例や臨床などのデータが豊富で、台湾でも他の国々と同様
広く知れ渡っている近視抑制方法になっています。比較的に治療費がかかること、長期間の治療が必要なこと、
ある程度進行した場合は治療を中止しないといけないなどの制約があります。
また,前述の低濃度アトロピン点眼の併用するとより効果があるというデータもあります。
③ 近視抑制レンズ
最後に今回のテーマの近視抑制レンズです。
中国や東南アジアでは既に発売されておりますが、台湾では基本的に眼科さんでの処方になります。
ドイツのカールツァイス、フランスのエシロールなどが近視抑制レンズを販売しておりますが、
日本のHOYAから出ている近視抑制レンズの効果が一番高いと言われています。元々のコンセプトが違う
ので一概に言えませんが、HOYAの研究結果によると近視抑制の効果が60%あると言われております。
先に述べたように台湾では眼科さんでの処方、販売になります。価格は3万元と高額になりますが、
2年間の保証が付きますし、これで近視の進みが抑えられるならば、将来の眼鏡にかかるコストを
考えれば決して高すぎないと思います。
HOYA台湾では今後は眼科だけでなく、メガネ店でも販売できるように準備を進めています。
お子様が眼鏡を常時かけることによって眼眼軸長伸長抑制し、近視の進行を抑えるレンズですが、
販売するには眼眼軸の長さを測定する装置を導入しなければならなりません。
その検査機器がかなり高額なので、パリミキでは検討中です。
何か新しい情報がありましたら、また更新致します。